【人事の不運】
太平洋戦争冒頭、アメリカ・ハワイの真珠湾を奇襲攻撃した指揮官は誰?という問いに
答えられる人はどのくらいいるだろうか・・・。
海軍中将・南雲忠一(以下南雲中将)とう人物が第一航空艦隊を率いて攻撃を行いました。
海軍兵学校での専門兵科は水雷科で魚雷戦の専門家でした。経歴も当然水雷関係の
役職が多く、将来も嘱望されていました。
ところが日米開戦前に空母機動部隊の第一航空艦隊が創設されて南雲中将は司令長官に任命されました。経歴に航空関係がなく畑違いでもあり、幕僚も「何とも冴えない長官」などと
言われることもあったそうです。
軍人の任命権は海軍省にあり、このミスキャストは海軍省の人事がいかに杜撰かを物語ります。このミスキャストで「真珠湾攻撃」「インド洋作戦」「ミッドウェー海戦」「南太平洋海戦」など戦争の転換点を握る戦いに挑むことになった責任を本人に帰するのは、正直
無理があります。
サイパン島の戦いでは中部太平洋艦隊司令長官として地上戦を指揮するも実質的には
指揮下兵力もなく戦死。任命権者の責任を痛感する人事です。
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